【物語】2つの「みかじめ料」~なぜ彼らは捕まらないのか?~

 舞台は、とある街のレストランと、立派な病院です。

シーン1:一般人(ヤクザ)の場合 =「非合法な恐喝」

ある日、街のレストランにコワモテの男が現れました。 「オヤジさん、この辺りも物騒になったな。うちの若い衆に『セキュリティ・コンサルタント』として毎月50万円払ってくれないか? 払わないなら、店で変なトラブルが起きても知らないぜ?」

店主は恐怖を感じて警察に駆け込みました。 男は**「恐喝罪」**であっさりと逮捕されました。当然です。力で脅して金銭やポジションを要求するのは犯罪だからです。

シーン2:役人の場合 =「合法的なガバナンス強化」

同じ頃、地域の医療を支える立派な病院に、ニコニコとしたスーツ姿の役人がやってきました。 「院長先生、最近は医療機関も『ガバナンス(統治)の強化』が求められています。新しい法律のガイドラインにより、来月から当院にも『外部監査役』を必ず置いてください。違反すれば、補助金の停止や認可の取り消しもあり得ます」

院長が青ざめていると、役人は一枚の履歴書を差し出しました。 「ご安心ください。来月退官する私が、その要件を完璧に満たしています。報酬は年間1,500万円で結構ですよ。もちろん、法律に従うだけですから、断る理由はありませんよね?」

院長は泣く泣く役人を雇い入れました。 しかし、これは警察に行っても逮捕されません。なぜなら**「法律やルール通り」**だからです。




なぜこんなマジックが起きるのか?

ヤクザと役人、どちらも「自分たちを受け入れないと酷い目に遭わせるぞ」と圧力をかけて、高額な報酬(みかじめ料)を得ています。

決定的な違いはただ一つ。 **「自分に都合の良い法律(ルール)を、自分で作れるかどうか」**です。

一般人が他人の財布から無理やりお金を取れば「強盗」や「恐喝」です。しかし、法律を作る側が「外部監査を義務付ける」というルールを作り、そこに自分たちが座るシステムを構築すれば、それは「法令遵守」という美しい言葉にすり替わります。「合法的な恐喝」が成立する瞬間です。

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